な ん で も 写 真 館



「 “朱雀門” を訪ねて (+正倉院展) 」
[写真&コメント:10期/管理人]       .

マンドリンオリジナル曲として有名な 「音楽物語“朱雀門”」(作曲:鈴木静一) は第9回定演で演奏に参加する機会を得ましたが、当時の黒ずくめのナレータ氏の低音の響きと共にマンドリンオーケストラをバックにしたおどろおどろしいストーリー展開の印象は今でも残っています。

以前に「朱雀門」が復元されたとのニュースを耳にしたことがあり、近鉄電車で奈良駅に向かうたびにそれらしき建物を目にしていました。車窓から見る限りではやや交通が不便そうな場所にあり、行くのを躊躇していましたが、先日「第67回正倉院展」に出かけた帰途に “ぐるっとバス” を利用して訪ねてきました。
正倉院展を見終わった後、「奈良公園前(県庁前)」停留所から “平城宮跡ルート(青バス)” に乗り、奈良の中心街を少し抜けた住宅街〜田園地帯の中にある「大極殿」停留所で下車し、平城宮跡を 大極殿朱雀門 と南北に縦断して、「朱雀門」停留所からふたたび乗車して奈良の中心街まで戻ってきました。

なお今回行った朱雀門は平城京のものでして、「音楽物語“朱雀門”」の舞台は平安京のものになります。
しからば平安京の方は現在どうなっているかというと、残念ながら朱雀門は単に石碑が残ってその場所を示してくれるのみです。大極殿もないのですが、こちらは平安神宮の社殿が平安京の大極殿の3分の2のスケールで再現されて、何とか往時に思いを馳せることは出来ます。

「音楽物語“朱雀門”」の原作である「長谷卿絵巻」の世界を思い巡らせるには、今回の平城宮跡はやや明るすぎるきらいが無きにしも非ずでしたが、ともあれ、永年の懸案(?)であった「朱雀門」を訪問することだけは出来ました。(参考:7期/河野さん投稿 → 「朱雀門の原作:長谷卿絵巻から」)

  ・「平安京大内裏朱雀門址」(京都市情報館)
  ・「平安京朱雀大路と朱雀門」(京都市情報館)
  ・「朱雀門跡」(京都観光Navi)
[ 撮影日:2015.11.05 (Thu.) ]


朱雀門 (平城宮)

平城宮の正門・朱雀門。その前では外国使節の送迎を行ったり、大勢の人達が集まって歌垣などを行ったりし、正月には天皇がこの門まで出向き、新年のお祝いをすることもありました。朱雀門の左右には高さ5.5mの築地がめぐり、130haの広さの宮城を取り囲んでいました。

[出典 : 「平城宮跡 Quick Guide」ホームページ]
《参考》
朱雀門は内裏の南門で、ちなみに羅城門(羅生門)門の方は都の南にある正門という位置付けになります。
朱雀は、南の方角をつかさどるとされる「霊獣」であり、北の玄武、東の青龍、西の白虎とともに「四神」とよばれました。キトラ古墳の壁画に、これらの霊獣の姿が描かれていたのは有名です。


【 朱雀門正面 】
(門柱の真ん中の区画に大極殿を写し込みました)


裏側から見た朱雀門
(大極殿側から)


西側から見た朱雀門


 






朱雀門:説明板
(↑:click → 拡大表示)

  若草山・春日山を背景に 




平城宮跡マップ (↑:click → 拡大表示)
平城宮跡での朱雀門と大極殿の位置関係が判ります。
(出典:平城宮跡マップ



大極殿 (平城宮)

朱雀門の真北約800mに堂々とそびえる「大極殿」。正面約44m、側面約20m、地面より高さ約27m。直径70cmの朱色の柱44本、屋根瓦約9万7000枚を使った平城宮最大の宮殿であり、その建物は奈良時代の中頃に、一時都とした恭仁(くに)宮に移築され、山城国の国分寺金堂になりました。当時、天皇の即位式や外国使節との面会など、国のもっとも重要な儀式のために使われていました。

[出典 : 「平城宮跡 Quick Guide」ホームページ]


大極殿正面
 


側面から見た大極殿
 
 
平城京歴史館の前に
遣唐使船が復元展示
大極殿遠景
ちょうど 「平城京天平祭・秋2015」 が開催中でした。
但し、古代行事の再現などのイベントは土・日・祝日
のみだそうで、かなり閑散としていました。
 

第67回正倉院展

11月5日(木)に、最近は我が家では恒例化している正倉院展に出かけてきました。
普段の出勤時刻よりも早い時間に家を出て、開場時間の9時の15分前くらいには並んだのですが、もう奈良国立博物館の建屋の庇を越えて横のテントにまで列が並んでいました。平日でしたので、中年女性のグループや我々の様な定年後の夫婦連れが多かったようです。

今回出展の目玉はポスターやチケットにも使われている 「紫檀木画槽琵琶(したんもくがそうのびわ)」 で、背面に規則的に配列された紫檀や象牙を組み合わせて作った花の文様がとても繊細で綺麗でした。

私は毎回幾つか出展される当時の楽器類に興味を持っているのですが、今年の注目は 「彫石尺八(ちょうせきのしゃくはち)」 という石で作られた尺八です。節が3つある竹をリアルに模したもので、サイズ的には尺八よりもケーナに近く、外面全体に細かい装飾模様が施された見事なものでした。
やはりもっとも驚かされるのは、指穴もそうですが管の内面を削り出して作っている点です。現在のように精密な工作機械など無かった奈良時代に、どのような技術でこれが製作されたのか興味は尽きません。

その他、筆や定規などの文房具類、仏具、袈裟や敷物、種々の動物の毛を用いた宝物類などの展示物も興味を引くものでした。

毎年感じるのですが、これだけのものが長い年月を経てよくここまで残っていたものだと思います。当時の色や装飾の精密な技巧などにも驚かされてしまいます。
来年はどんな新たな展示物が出展されるかを楽しみに帰途につきました。

  ・「第67回正倉院展(奈良国立博物館)
  ・「正倉院(宮内庁ホームページ)


[奈良公園内の立て看板]



 

入場券の半券と記念スタンプ

 
見学後の奈良国立博物館の外観
(開場後1時間過ぎてもまだ入場待ちの長蛇の列


付録》 ぐるっとバス

正倉院展後に県庁前バスターミナルにて乗車
赤バスが @奈良公園ルート
青バスが A平城宮跡ルート

(運賃 100円
 
ぐるっとバス : 平城宮跡ルートマップ
 (↑:click → 拡大表示)
(出典:奈良公園・平城宮跡アクセスナビ

 

[2015.11.14:受付]  

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