な ん で も 写 真 館



「 “興福寺・中金堂” (第70回正倉院展) 」
[写真&コメント:10期/管理人]       .

毎年この時期には「正倉院展」に出かけるのですが、近鉄奈良駅から奈良国立博物館に向かう途中にある興福寺・中金堂が工事中である旨の立て看板を右手に見ながら行くのが常でした。
ところが今年の正倉院展開催直前の10月に、興福寺の中核施設である中金堂が301年ぶりに再建されたというニュースを目にしていたので、今回出掛けた「正倉院展」の帰りに立ち寄ってきました。

新築再建との事でしたので、ぴかぴかで周囲から浮き上がっているのではないかという危惧を抱いていたのですが、色合いも含めた建物全体の印象がすっかり周囲に溶け込んでいました。
ただ何の予備知識もなく立ち寄ったこともあって、設定された見学ルートには「釈迦如来坐像」とその周辺を取り巻く多くの仏像群くらいしかなかったので、やや手持無沙汰感が残りました。また、「法相柱」という多くの法相宗の祖師を描いた円柱があったのですが、これは描画のティストがここにはちょっと不釣り合いな気もしました。

その後、興福寺の南参道から猿沢の池経由で近鉄奈良駅に戻った後は “ぐるっとバス” に乗って(赤バス:一周約45分、100円)、本格的な紅葉にはまだ少々早かった奈良公園ルートを1週してから帰途につきました。

  ・「法相宗大本山興福寺
  ・「興福寺」(奈良県観光公式サイト)
[ 撮影日:2018.11.06 (Tue.) ]


興福寺・中金堂

 興福寺には、金堂が3棟ありますが、そのうち中心となる金堂を中金堂と呼びます。
 和銅3年(710)の着手、7年の完成で、その創建者は藤原不比等です。
 興福寺の縁起類をまとめた『興福寺流記』に中金堂院の規模を、次のように記します。
「金堂一宇 宝字記云 長十二丈四尺 延暦記云 九間十丈五尺云々 広□八尺 延暦記五丈八尺 大小垂木端并高欄用截金銅餝 延暦記高二丈三尺五寸」
 また堂内には本尊釈迦丈六仏像、脇侍菩薩4躰(十一面観音二躰と薬王、薬上菩薩)、四天王像、さらに2組の弥勒浄土像が安置されていました。この弥勒像のうち古い像は、興福寺創建者藤原不比等の妻橘三千代が、不比等の一周忌にあたる養老5年(721)に造像したと記しています。

[出典 : 「法相宗大本山興福寺」ホームページ]


【 興福寺・中金堂 正面 】




近鉄奈良駅から奈良国立博物館に向かう通りの
登大路(大宮通の一部)に面して建つ「興福寺」の案内碑


 
落慶を知らせる立て看板
  ← 入場券(500円)  


斜めから見た中金堂



【「釈迦如来坐像」とその周辺を取り巻く多くの仏像群 】
   
(お堂内の配置図)

 
[出典 : 興福寺中金堂パンフレット]
(内部は当然ながら撮影禁止

 
   
【南円堂】

                   
  ← 【五重の塔】 




興福寺マップ (↑:click → 拡大表示)
[出典 : 興福寺中金堂パンフレット]

 

第70回正倉院展

11月6日(火)に、最近は我が家では恒例化している正倉院展に出かけてきました。
普段の出勤時刻よりも早い時間に家を出て、正倉院展開場時間である9時の10分前くらいには並んだのですが、もう奈良国立博物館の建屋の庇の中で3曲がりもの列が出来ていました。平日でしたので、我々の様な定年後の夫婦連れが多数を占め、その他には中年女性のグループが多かったようです。
私が例年行っている曜日にもよるのでしょうが、今回はやや少な目な印象でした。

今回出展の目玉はポスターやチケットにも使われている 「玳瑁螺鈿八角箱(たいまいらでんはっかくのはこ)、」 で、箱の表面全体に玳瑁(たいまい)を貼り、螺鈿(らでん)で文様を表しているのですが、その色合いやデザインはもちろんのこと、細部にまでに亘って精密に仕上げられているその技術のすごさには驚かされました。

私は毎回幾つか出展される当時の楽器類に興味を持っているのですが、今年は鼓と琴が数点のみとやや寂しい印象でした。また古文書類もやや少な目だったようです。
その他では、現代で言うところのスリッパや巻きスカート、文箱などの展示物も興味を引くものでした。

毎年感じるのですが、これだけのものが長い年月を経てよくここまで残っていたものだと思います。当時の色使いやデザインに加えて、工芸品装飾の精密な技巧などにも驚かされてしまいます。
来年はどんな新たな展示物が出展されるかを楽しみに帰途につきました。

  ・「第70回正倉院展(奈良国立博物館)
  ・「正倉院(宮内庁ホームページ)



 



: 記念スタンプ


: 入場券                                 .


見学後の奈良国立博物館の外観
(開場後1時間過ぎてもまだ入場待ちの長蛇の列が続いていた
 



付録》 ぐるっとバス

ぐるっとバス : 奈良公園ルートマップ
 (↑:click → 拡大表示)
@奈良公園ルート (赤バス)
A平城宮跡ルート (青バス)

(出典:奈良公園・平城宮跡アクセスナビ

 

[2018.11.10:受付]  

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